歯を守る生活習慣2

時間をつくる虫歯予防を考えるなら、脱灰の時間をできるだけ作らず、再石灰化の時間はまとめて長く取ることが大切です
アメや甘いジュースなどをちょこちょこ食べ飲みしていると、そのつど回の中が酸性に
食べ終われば唾液が徐々に中性に戻そうとはするのですが、だら 燿だら食べ続けるほど酸性時間が長くなり、脱灰が進んでしまいます
再石灰化の時間を長く取るためには、水以外を口にしない時間をできるだけ多くすることですcコーヒーに砂糖を入れて飲む人は、さらに虫歯のリスクが上がります
コーヒーや紅茶、緑茶は、ステインが気になるところ
また、 コーヒー、紅茶、緑茶にはカフエインが入っているので、交感神経が刺激され、飲み過ぎはやはり唾液分泌を妨げます
日の中は常に潤っているほうがいいので回の中が乾く前に水や自湯、カフェインレスのハーブティーなどを飲んでください
電車の中などでぐずる子どもの機嫌を取るためにすぐお菓子を与えてしまうお母さんお父さんがいますが、これはまさに子どもの虫歯をつくりやすくする間違った習慣です
晩酌も、食事の際にするのならいいのですが、だらだらといつまでも飲むのはお菓子と同じリスクがあります
歯のためにも健康のためにも量と時間を決めて楽しむほうがいいでしょう

第二の歯の病気がある

酸蝕は、「トゥースウェア」を引き起こす典型的な原因です
これまで歯を失う二人原因は虫歯と歯周病と考えられてきましたが、歯のエナメル質が溶けたりすり減ったりすることで歯の健康を損なっていくケースが見られるようになり、第二の歯科疾患として注目されるようになってきました
「トゥースウェア(tooth wearごのウェアは、英語で「(長期間の使用などによって)浸食する、摩減する」という意味です
歯のエナメル質がすり減ったり溶けたりすることによって歯の健康が損なわれるのです
その原因は大きく分けて三つ
先に説明した「酸蝕」のほか、「摩耗」「咬耗」があります
摩耗は、歯磨きのときにできるすり減りです
力を入れすぎたブラッシングや粒子の荒い研磨剤のせいで、歯の表面や歯ぐき部が傷つくことで起こります
咬耗は、ストレスによる噛みじめや歯ぎしりなど、歯と歯の接触によってできるすり減りです
奥歯などの噛み合わせに影響してきます
つまり「健康志向による食習慣」「歯磨きのし過ぎ」「ストレス」など以前の日本ではあまり考えられなかったことが原因となって増えている、まさに現代病といえるのです
虫歯による脱灰は1本単位ですが、トゥースウェアの場合、連続した複数本が一度にダメージを受けるのが特徴です
放っておくと、 一度に歯を失ってしまう危険もあります
予防のためには、生活習慣の見直しと、フッ素塗布などで歯のエナメル質を強化するケアが必要です

 

歯を守る生活習慣1

おやつは食後にすぐ食べる砂糖など甘いものが虫歯の直接の原因になるわけではなく、水やノンシュガーのお茶以外のものを口にすると口の中が酸性に傾いて脱灰が始まるとお話ししました
三度の食事はやめることができませんが、それ以外に日に何回もお砂糖やミルクが入ったコーヒーやジュースを飲んだり、お菓子を食べたりしていると、虫歯のリスクがとても高くなります
回の中が常に酸性に傾いたままで、なかなか再石灰化の時間が作れないからです
意外と無意識にちょい食べしているのが、アメやチョコレート
たとえば1時間おきに一粒、 一かけとだらだら食べてしまうと、 一旦唾液の力で中性になりかけても国内は再びすぐに酸性に一戻ってしまいます
またスポーツドリンクやジュース類が手放せない人もリスク大です
スポーツドリンクは「砂糖十酸」を水に溶かしているものなので、やはり口中を酸性化します
スポーツクラブで汗を流しながらスポーツドリンクをちびちび飲むのは見慣れた光景ですが、歯の健康から考えるなら、そのように飲み続けるのは禁物です
そこでおすすめなのが「まとめ食べ」です
ケーキやジュースなどは「食後のデザート」と考えて、食事の後に続けて食べてしまいましょう
甘い物がやめられない人は、3時のおやつよリランチ後のデザートがベター
その後にしっかり歯磨きをすれば、唾液の作用で再石灰化する時間がまとまって長くなるので虫歯のリスクが減ります
また、ァメの中でものどアメは「甘い物を食べた」感が薄いかもしれませんが、チョコレートやケーキなどとリスクは同じ
食間に食べたら、歯磨きを忘れずに

家庭でできる「徹底的な歯磨き法」

最近はクリニックで行うオフィスホワイトニングや、患者さん自身が薬剤を入れたマウスピースを装着して行うホームホワイトニングがずいぶん認知されてきました
オフィスホワイトニングは短時間で自くなりますが、治療音あ幅が大きく、どのタイプを選ぶか迷うことも多いと思います
ホームホワイトニングは自宅でできる分手軽ですが、マウスピースの製作のためにいずれにしても1~2回はクリニックに通う必要があります
しかし、もっとずっと低予算で歯を自くでき、しかもPMTCに匹敵する虫歯予防、歯周病予防ができる方法があるのです
それがここでご紹介する「デンタルホームエステ」です
ていねいに磨いたつもりでも、歯科医師や歯科衛生士がチェックすると30%くらいの磨き残しがあるのが普通です
その磨き残しが徹底的になくなると、黄ばんだ歯が一段白くなります
歯が黄ばんでくる主な原因は、加齢による変色と「ステイン」という着色汚れです
ステインは、たばこのヤニのほか、コーヒーや紅茶、赤ワイン、カレーなど食品中の着色物質のこと
それが歯の表面に付着して、自さが失われてしまうのです
磨くときの注意点は、力を入れすぎないこと、歯ぐきに負担をかけないことです
赤染め液は唇も染めてしまうので、リップクリームでガードしておきましょう
左記のプロセスに従って全工程を行うと、1~1・5時間くらいかかります
ステインを落としきれるだけでなく、プラークも徹底的に落とせるので、虫歯や歯周病や口臭の予防にもなります
年に2回程度行うと、白さがキープできます
[用意するもの]大入用歯ブラシ……ふだん使っているものでOKワンタフトブラシ、またはベビー用ブラシ……ワンタフトブラシは1本磨き用の小さな歯ブラシ
ベビー用歯ブラシなら毛足の短いタイプを選ぶ赤染め液……プラークを赤く染め出す液
ドラッグストアや歯科クリニックなどで入手
錠剤より液体がベターフロス、またはデンタルテープ……ふだん使っているものでOK歯磨き剤3種……ステインクリアなどをうたっているホワイトニング用、粒子の細かい研磨剤入り、研磨剤なしのフッ素ジェルデンタルミラー[デンタルホームエステの手順]1.何もつけない大人用の歯ブラシで、ふだんよりもていねいにブラッシング
汚れを落とす
2.赤染め液をつけて磨き残しをチェック
歯の表裏に塗布した後、水ですすぐと磨き残しの部分が赤く残る
3.乾いたワンタフトブラシなどにホワイトニング用の歯磨き剤を少量塗りつけ、赤く染まったところがキレイになるまで磨く
デンタルミラーも活用して、奥歯の裏側なども磨けているかチェックする
4.磨き残しがなくなったら、もう一度赤染め液をつけ、ホワイトニング用歯磨き剤を歯間に塗りつけて、デンタルフロスなどでプラークをこすり落とす
歯周ポヶット内はぎりぎりで止める
強くこすると歯肉を傷つけ、知覚過敏を招くこともぁるので、歯周ポヶットの奥の清掃はプロに任せる
さらに磨き残しをチェックして歯ブラシやフロスで徹底的に落とす
「赤染め液↓すすぎ↓ホヮィトェング用歯磨き剤で落とす」のプロセスを計3回以上

唾液や歯肉の質を高める食事

「歯にはカルシウムがいい」と、ふた言目には言われていた時代がありました
骨を作るという意味では、カルシウムは基本中の基本
それは間違いではありませんが、最近はさらに進歩してコラーゲンの大切さが広く認知され始めています
特に歯肉炎や歯周病の兆候が見られる患者さんには、ヨフーゲンの生成を促すような生活指導をしています
何と言っても歯周病予防の要は歯根膜
ヨフーゲンは歯根膜を丈夫にするのと同時に、肌にもいい効果をもたらすので、女性には二重にうれしい予防法ですね
コラーゲンは、食べればそのまま体内のコラーゲンになるわけではなく、アミノ酸やペプチドに分解されて小腸の粘膜で吸収されます
それが毛細血管を通り、肝臓、さらには心臓に送り返されます
そこから真皮や粘膜、朝帯、腱、骨などに適宜分配されて、ヨフーゲン繊維を作るのですが、そのコラーゲン生成の能力は加齢とともに衰えていきます
その生成には原料が必要で、原料とは良質なタンパク質=アミノ酸です
ほとんどの動物性食品にはアミノ酸が含まれますが、特に多く合んでいる食品として、鶏の手羽先やすっぼん、フカヒレなどがあります
ヨフーゲンの生成には多くのビタミンやミネラルが必要なので、良質なタンパク質に加え、バランスのいい食事をすることが望ましいです
これは私自身も実感していることです
わたくしごとで恐縮ですが、2005年のお正月明けにあまりの疲労感で立ち上がれず、検査人院をしたことがあります
結果は、過労とストレスでした
その頃、はじめて奥歯がぐらぐらするのを感じ、骨殖堅固(歯がしっかりしていることをさす歯科用語)が自慢だった私は、歯が抜けてしまう夢を見るほどショックを受けました
ところが、食生活を変えたら歯根膜が復活してすっかり奥歯の動揺がとまってしまったのです
当時の血液検査の結果は、タンパク質不足
自分としては充分に摂っていたつもりでしたが、今にして思えばその頃の私の食生活は、明らかにタン 出パク質不足でした
もともとは野菜中心、母からの教育で肉より野菜が身体によいと思っていた私は、ほとんど夜しか肉や魚を口にすることがありませんでした
好きなモノは果物と野菜とスイーツでしたから、朝ごはんの定番は甘いデニッシュパン
学会などに出席するための海外出張先のホテルでは、朝食で出されるベーコンやハムなどには目もくれず、フレッシュフルーツ、ヨーグルト、おいしいデニッシュやクレープのワゴンにばかり近づいていたのです
体調が戻ってからはその食生活を変え、必ず朝食にも、これまで食べたことのないベーコンエッグなど、タンパク質を食べるようにしました
昼食、夕食にも意識的に肉や魚を食べるコラーゲンサポートを始めたところ、先のような歯の不調も改善しました
「歯にはコラーゲン」が新しい常識になっていくでしょう
一方、唾液は分泌量だけでなく、質も大切です
回の中で虫歯菌やバクテリアなどが繁殖した状態では唾液はネバネバしています
肉や魚、穀物、砂糖など現代人が食べる食品の多くは酸性食品で、日の中のpHも酸性に傾きがち
水分の多いサラサラの唾液にするには、食事のときに野菜や海草などのアルカリ性食品もバランスよく食べることです
また、小魚やチーズ、牛乳、ひじきなどは歯の再石灰化を助けるカルシウムが豊富です
噛む回数を増やして唾液の分泌を活性化するには、りんごなどは皮付きのままいただく、自米や自パンではなく玄米や雑穀米、胚芽パンなど噛みごたえのあるものを選ぶなどがポイントになります
また、キウイフルーツには舌苔を溶かす酵素が含まれています
ゆっくり噛んで飲み込むと舌苔の掃除ができ、口臭予防になります

歯の冷え性を治そう


冷え性は指先や足先だけの話ではありません
冷えがつらい人は、歯もいわゆる冷え性になっている可能性があります
歯そのものが冷えている、というわけではありませんが、歯の周囲の毛細血管の血流が悪くなっているのです
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしていますが、末端に行くほど血液は届きにくくなります
毛細血管だらけの回の粘膜や歯肉に届く血液量は、いわば血液鉄道の最果てのローカル線
心臓が東京駅だとしたら、歯の根の先端は網走駅あたりのイメージでしょうか
この末端の毛細血管の血流を微小循環といいます
第2章で喫煙と歯周病との関係を述べましたが、喫煙によって毛細血管が収縮すれば、それは血という酸素や栄養のわずかな補給路さえ断たれたことになります
歯に不調がでるのも道理なのです
末梢に血液が行き渡っていないと、抜歯しても傷が治りにくい、神経を取ってもなかなか痛みが引かないといったケースがよく見られます
歯科治療の最終段階では、やれるだけの治療をしたらあとは自然治癒を待つだけということもあって、そのときに毛細血管がめぐっている歯根膜が低酸素状態では、なかなか回復しません
ところが動脈血が歯の微小循環にまでしっかり届けられていると、ドクターに「これはもうダメだね」と言われた歯も治療ができるまでに回復することもあります
それほどに、歯にとって動脈血は重要なのです
血液は動脈から静脈へ流れ込みますが、動脈と静脈は直接つながっているわけではなく、平行して走る幹線道路のような関係です
その二つのパイプの橋渡しをしているのが細動脈であり、さらに細い毛細血管です
この毛細血管の流れ、すなわち微小循環は、動脈血を静脈に渡すいわば網の目のような一般道
微小循環がなぜ大切かと言えば、酸素や栄養を個々の細胞に実際に供給しているのが、末梢にまで伸びているこの血管だからです

動脈の流れを良くして歯を健康に


私は以前から、歯の健康のカギを握るのは実は動脈血であり、それを分配している微小循環をよくすることがポイントではないかと考えていました
医師と会話しているときに、高田先生から「治癒に必要なのは動脈血です」とうかがったことがきっかけでした
高田先生は循環器内科医の立場から、動脈血の重要性を知り尽くしていました
静脈は排泄を担う経路です
静脈の流れをよくするだけでは細胞は活性化しませんが、動脈の血管にはたっぷりの酸素や栄養分が流れています
ダメージを受けた神経細胞に対して働きかけるマクロファージ(自血球の一種)という免疫システムや、さまざまなホルモン分泌において、酸素はとても重要な役割を果たします
動脈血の血流をよくして、すみずみにまで微小循環が行き渡ると、免疫機能が向上し、自然治癒力が高まるわけです
では、動脈血をスムーズに流すためにはどうすればいいのでしょうか
いちばんシンプルな方法は、「歩く」ことです
脚やふくらはぎには、歩くなどして力を加えることで収縮する大きな筋肉があります
それが心臓へ血流を戻すポンプになります
これは、次の項目とも関わってくるのですが、歩かない人は間違いなく微小循環が悪い傾向があり、そのために歯に不調が現れるケースもあるように思います
ちなみに、一肩こりを治すだけでも微小循環は少し改善されます
一肩こりは、筋肉が硬くなって血液の流れを遮断するために起こる痛みです
筋肉をほぐしてあげると血流がよくなり、そうした不調が楽になります
次に紹介する「微小循環をよくするマッサージ」も、歯の健康増進に有効です
上唇と下唇それぞれの歯の付け根部分に、袋になっているような箇所があります
ここが回の中の動脈が集まっているところですから、唇の内側から上下5~6ヵ所ずつ歯ブラシの柄のお尻部分(あるいは指)を使ってプッシュします
押して痛いところは血流が弱い証拠なので特に念入りに
柄で内側から押し、押している箇所には反対の手を添えておきます
さらに、ほおの肉全体を内側から押してみましょう
このマッサージをする前に、96ぺ‐ジで紹介した体操で首や一肩の血流をよくしておくとより効果的です
体操 入浴 微小循環マッサージの順で行うと、歯のすみずみにまで動脈血が行き渡るようになりますよ

体を温めて免疫カアップを

前にも書きましたが、過労でダウンした2005年のお正月明け
実はその前の年の12月から、過度の冷えを感じていました
朝起きてすぐの体温は大抵「35度4分」
明らかに低体温でした
低体温ということは、血流の悪さを物語っています
自律神経のバランスも崩れますし、免疫力も落ちます
生まれてはじめて奥歯がぐらぐらするのを感じ、抜歯を覚悟していたほどです
体調不全で猛省した私は、仕事を減らし、体力増強を目標に低体温脱出のためにさまざまな健康法にチャレンジしました
まず、全身に定期的なお灸をしました
それまでは運動不足だったのですが筋力、とりわけ体幹の筋肉を鍛えるエクササイズを習慣にしました
慣れるまでは定期的に理学療法の先生に指導してもらいました
体熱は筋肉で発生するので、インナーマッスルが丈夫になると体温も上昇します
身体の中から温めるために活躍したのが黒砂糖としょうがを煮出したしょうが茶やしょうが紅茶でした
しょうが茶は、黒砂糖とたっぷりのしょうがの薄切りを弱火で30分ほど煮だした素朴な中国茶です
食事中に飲むだけで体がぽかぽかしてきます
しょうが紅茶は、好みの紅茶にしょうがの絞り汁をたっぷり入れていただきます
これを毎朝の習慣にしました
もう一つ、大切な習慣として、常にポットを持ち歩きお湯を飲んでいました
車の中、電車の中、会議中、ひと口お湯を飲むだけではっとして体も温まるのです
内側から温めるだけでなく、冷えを寄せ付けないことも大切
私は一年を通して夏でもピーチ
ジョンのHARAマキパンツ(股上の部分がおへその上まで来る毛糸のパンツ)や、ワコールのスゴ衣シリーズ(薄手の保温機能に優れた下着)を愛用しています
低体温から脱出したら、先のぐらぐらしていた歯は元通りに回復し、歯科医である私自身、冷えが歯の健康や全身の健康と深く結びついていることを実感しました
また体をよくあたためる入浴法も毎日実践
夏でも、湯たんぽを活用したり、足先とお腹に使い捨てカイロを1日貼って熱を外から与え続けました
2年ほどこのような生活を続けたところ、朝の体温が36・7度にまで上昇したのです
年齢を重ねているにもかかわらず、年ごとに体調がよくなり、体力がついてくることを実感し、体を温めることや栄養、運動といった毎日の生活習慣が健康をつくるのだと今さらながら感じています
歯の健康はもとより全身の免疫力増強のためにも、からだを冷やさない生活のための参考にしてみてください

アルコール入りの洗口液は使いすぎに注意

歯磨きしにくいランチタイムの後や、ちょっとした気分転換に洗口液を使うと、口の中がさっぱりしますね
それ自体は悪くないのですが、洗口液はアルコールフリーのものを選ぶのがポイントです
アルコールは回の中の水分を吸収してしまうため、アルコール入りの洗口液を1日に何度も使うと口の中が乾いてしまいます
それは虫歯になりやすい状態をつくり、口臭のもとに
日の中をさっぱりさせる洗口液は、買う前にアルコールフリー(アルコールが含まれていないもの)であることをチェックしましょう
洗口液には抗菌作用があるので、就寝前に使うのであれば口臭予防になります
とはいえ、アルコールフリーのものであっても国の中の常在菌をも殺すほどむやみに使うのはおすすめできません
回の中には善玉菌と悪玉菌を合わせて400~700種類ほどの細菌がいます
ほとんどの菌は、国内の環境を保つために働いているのですが、 一部の菌は虫歯や歯周病などを引き起こします
歯肉炎や歯周病対策として、あるいは実際に歯周病の治療を受けている患者さんが補助的にホームケアとして抗菌作用を狙って使うのはOKですが、何ら歯のトラブルがないのに常用すると、かえって回の中の菌のバランスがくずれてしまう恐れもあります
また、市販の洗口液は抗菌作用はあってもフッ素は配合されていません
虫歯予防には効果がないので、虫歯対策には前出の歯科用商品のフッ素ジェルやフッ素入り洗口液を併用するようにします
その場合は、先にアルコールフリーの洗口液を、次にフッ素入り洗口液を使う順番が望ましいです
洗口液は、あくまで補助的なアイテムですc「短期決戦で」「目的を決めて」「歯科医師の指導を仰ぎながら」使うようにしましょう

歯科治療はMI治療が主流に

ひと昔前は、虫歯は削って治療するのが一般的でした
あのキュイーンという歯を削る音で歯医者ギライになったという話はよく聞きます
しかしいまはMI治療T主一マル・インターベンション)というコンセプトが主流です
MI治療とは、直訳すれば〃最小限の侵襲〃、つまり歯を削る量を最小限にして今の歯をできるだけ残し、歯の寿命を伸ばそうという治療概念です
最近の歯科修復技術と素材の進歩によって、耐久性にも優れ、審美的にも美しい修復が可能になりました
そういった新しい治療法の中から、注目されているものを以下で解説していきます
ご自分の目的に合った方法を、歯科医師に治療相談する際の参考にしてください
再石灰化療法私のクリニックでは積極的に行っている方法です
穴があいていない初期虫歯でしたら、削る、穴を埋めるなどの虫歯治療をせずに、歯を修復できます
仮に穴があいていても、再石灰化療法を行うことで歯質が硬くなるため、削る量を少なくすることも可能です
治療に先立ちレントゲンや「ダイアグノデント」(カボ社)と呼ばれるレーザー光の反射を利用した虫歯診断器で、虫歯の進行程度を検査します
家庭で行うホームケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケアを組み合わせて行います
家庭では、①l日2回フッ素入り歯磨き剤で磨く
②歯磨き後、フッ素ジェルを塗布
虫歯部分には念入りに塗布
③アメ、乳酸ヌガー、乳酸飲料は禁止
他の甘いものはデザートとして食後すぐに食べるのはOK
甘い飲み物は極力避けるが、どうしても飲みたいときは食事中に飲む
キシリトールを1日5グラム以止摂取
以上がホームケアです
歯科医院では、①高濃度の局所フッ素剤を虫歯部分にのみ塗布
②レーザーを虫歯部分に照射後、一局濃度の局所フッ素剤を塗布
PMTCを行う
以上を3ヵ月を1クールとして行い、効果があったかどうか再度「ダイアグノデント」で虫歯の進行程度を測定します
数字が小さくなっていれば、再石灰化治療の効果がでていると判断し、問題なければそれで終了
穴があいている場合は、MI治療にて最小限に詰め物をして終了します
再石灰化療法を続ける場合は、同じことを3ヵ月繰り返し、検査診断治療方針決定、という流れになります
再石灰化療法は保険はきかず、すべて自費になります
レーザー治療 歯科用レーザーには、炭酸ガスレーザー、半導体レーザー、ネオジムヤグ・レーザーやエルビウムヤグ・レーザーなどのヤグレーザーがあります
それぞれ用途が異なり、炭酸ガスレーザーのように歯ぐきを切開したり殺菌、止血するもの、ヤグレーザーのように歯など硬い組織と歯ぐきなど軟組織の治療に向くもの、半導体レーザーのように血流をよくするものなどがあります
ちなみに前述の再石灰化治療に当院では、ネオジムヤグ・レーザーを使用しています
ダイレクトボンデイング審美歯科治療のひとつで、「光重合型超硬質レジン」を歯に直接充填していく方法です
従来のさし歯より歯を削る量が少ないこと、治療が1日で終わること、天然の歯のような美しい仕上がりが得られることから、MI治療にとって欠かせない治療法となりました
歯は本来、光の反射率が低く透明性のあるエナメル質、光の反射率が高く光を通さない象牙質、その真ん中に歯髄という神経の三層構造になっています
そのため天然の歯では、先端だけがちょっと透明で歯の真ん中くらいから白く見える立体的な色味なのです
この治療法では、解剖学に基づいて透明度の異なる材質を、地層のように何層にも重ねて埋めていくことで、天然歯のような自然な色調と透明感が再現できるのです
しかも、その色のグラデーションは何十種類とあり、患者本人の歯と極めて近い色を作り出せ、とても自然な仕上がりです
マイクロスコープ(実体顕微鏡)マイクロスコープは、2~30倍以上にも拡大できる実体顕微鏡です
脳神経外科や心臓の手術に使われているのと同じ精度のマイクロスコープで、歯科治療を行っている歯科医もいます
マイクロスコープを使って行う歯の神経治療や手術では、従来の裸眼による治療とは一線を画した精度の高い処置を行うことができます
使用する器具も、それに見合った極薄のメス、極細の針や糸で手術を行うため、傷の治りも早く、痛みも少なくてすんでいます
見えない世界をはっきり見せてくれるマイクロスコープによる歯科治療は、歯を抜かない、歯を残す治療の立役者の一つといえます
ここにご紹介した治療のほとんどは、健康保険がききませんので、治療を始める前に十分な説明を受けて納得したうえで施術を受けてください

「インプラントは怖い」の誤解


噛めない、噛まないことが、健康に悪い影響があることはすでにお話ししましたが、それでも「歯が1本くらい抜けてもどうってことない」とか「まだ何とか噛めるうちは平気だ
何本も抜けたら歯医者に行こう」などと甘く見ていませんか
歯は歯列というまとまりで、バランスよくものを噛み砕くという仕事をしています
1本でも抜けたらその開いたスペースを埋めようと隣り合った歯が傾いてきます
歯は垂直の力には強い構造なのですが、傾斜した歯は噛むときに横からの力を受けるので負担が大きくなり、周辺の歯にも影響してきます
また、斜めになった歯の陰の側は歯ブラシが届きにくく、周辺の歯を合め、虫歯や歯周病のリスクが高くなります
歯が抜けると噛むことに支障が出るだけでなく、噸下や発音にも不都合が出ます
歯並びや噛み合わせも変わつてくる可能性があります
前歯であれば見た目にも影響しますから、人前で大口を開けて笑えなくなり話をするときもつい口元に手を当てるようになってしまぃ……
1本抜けただけでも、くさんの問題が出てくるのです
ですから、歯は抜けたまま放っておかないことが大切です
歯を取り戻す方法のうち、注目が集まっているものにインプラントがあります
インプラントは、歯が抜けた後の骨の中に、チタン製の人工「歯根」を埋め込み、その上に人工の歯を被せて再び噛めるようにする治療法です
入れ歯のように取り外す必要もなく、ブリッジのように両どなりの歯を削る必要もない反面、「手術を伴い高額でぁる(1本あたり40万円程度ご「失敗例を耳にする」などなかなか踏み切れない人が多いのも事実です
だからといってィンプラントをただ恐れているのも、大きな誤解です
日本歯科大学附属病院インプラント診療センター教授の高森等先生は、「うまくぃかな いのは、診査
診断が不十分なまま治療を行うからでしょう
正しく治療すれば成功率は上あごで90%、下あごで96%程度になりますよ」といいます
上あごのほうが骨は軟らかく、上顎洞、鼻腔といった空洞部分があるためインプラントを埋める骨の量が少ないことが多く、いっぽう下あごは骨が緻密で、骨の量が十分にあることから下あごのインプラントのほうが、上あごより成功率が高くなっているのだそうです
私がもし連続した歯2本以上の遊離端欠損(後側の歯が1本も残っていないこと)の治療をうけるのなら、下の歯で適応(手術や治療が可能なこと)であれば間違いなくインプラントを選びます
下あごの土手の部分は馬蹄型になっているため入れ歯の安定性がよくないのですが、上あごはあご全体で入れ歯を支えるため比較的安定するからです.インプラントの人工歯根を骨に埋め込む手術は前歯にも奥歯にもできますが、土台となる骨が、幅
高さともしっかり残っていることが前提です
重篤な全身疾患がある人や歯磨きなどのホームケアができない人にはおすすめできませんが、骨の量が少なくても、骨造成術などで骨を作ることができれば適応となりますので、あきらめずに専門医に相談してみてください
骨造成術には、おとがいなど下あごなどから自分の骨を採取して移植する「骨移植術」や「骨再生術」などがあります
インプラント治療は、生涯にわたり掃除などメンテナンスが必要な治療です
長くお付き合いのできる信頼できる歯科医を選んでください
費用ですが目安としては、インプラントは1本45万、2本以上だと少し下がって1本当たり40万円くらいです
インプラントは正しく行えば一生モノ
怖いという誤解を鵜呑みにしているのは損です

入れ歯の進化形


日本でよく使われているのは、クラスプと呼ばれる金属バネのついた部分入れ歯です
多くの場合、健康保険がきくので、それほど高額でない自己負担で作ることができます
設計範囲や適応が広いことがメリットですが、金属の金具に違和感がある、審美的に好ましくないなどの理由で保険適用外の入れ歯を望む患者さんも大勢いらっしやいます
保険適用外の入れ歯にもいくつか種類があります
ひとつは、ホワイトクラスプと呼ばれるものです
部分入れ歯と同じ両側の歯に金具を引っかけるタイプですが、金具が金属ではなく白いプラスチックでできているので目立ちません
ノンクラスプデンチヤーは金属のバネのないタイプです
薄くて柔らかいポリアミド樹脂などの素材を土台にするので、付け心地や審美の面で人気です
歯ぐきの凹凸に沿わせて固定します
ァタッチメントタイプには、土台の歯と上にかぶせる歯の両方にマグネットを仕込んでカチッとはめる磁性マグネットタイプ、土台の歯に縦長の溝を作り、その清に合うバーを入れ歯に付けるシリンダータイブなどがあります
テレスコープと呼ばれるタイプは、土台となる歯に金冠をかぶせ、その上にはめ込むように入れ歯をかぶせます
取り外しのときの衝撃も少ないので周囲の歯への影響も少なく、歯にしっくり合います
これらのタイプの入れ歯は、かなり高額になりますが、用途と費用に応じて選択できますので、歯科医院で相談してみるといいでしょう
また、差し歯の世界にも新しい技術が登場しています
差し歯や詰め物は従来、歯科技工士の手作業で製作されていましたが、その 製造工程の一部をコンピューター技術に任せたのが歯科用キャドキャム(CAD/CA 鄭M)というシステムです
歯科技工士の手作業に比べれば精度は劣りますが、その場で装着できるメリットは大きいといえます

歯を美しくする「ティーストリートメント」


美しい髪のためにヘアトリートメントをするのは女性なら常識
実は、歯もトリートメントをすると美しいツルツルの状態が蘇ります「もちろん男性にもおすすめです
ティーストリートメント」とは、歯科衛生士が行うオーラルケア(口腔のお手入れ)です
ヘアトリートメントは髪の表面のキューティクルを補修していくわけですが、テイーストリートメントも同様に、歯の表面のエナメル質を補修していく施術です
歯の表面のエナメル質にはふつう目に見えない傷がたくさんついています
ブラッシングのしすぎや力の入れすぎ、粒子の荒い研磨剤入りの歯磨き剤、硬い食べ物などが原因で長い間に傷がついてしまうわけです
体質によっては永久歯のエナメル質自体が粗造で、微妙な凹凸ができてしまっている人もいます
そうした傷や凹凸がある歯の表面にはプラークやステインがつきやすいので、本来の歯の白さがくすんできてしまいます
損なわれた歯の透明感や自さ、ツルツル感などを取り一戻すために行う、PMTCよリワンランク上のケアと考えればいいでしょう
トリートメントケアに使われるのは、ナノレベルにまで粒子を細かくしたハイドロキシアパタイト
ハイドロキシアパタイトとはリン酸カルシウムの一種で、歯や骨を構成する成分です
このナノハイドロキシアパタイト入りの特殊なペーストを、歯の表面にすり込むことで初期虫歯や微小欠損(歯のエナメル質にあるミクロの傷)を修復していくのです
ナノ粒子化されたハイドロキシアパタイトは歯のエナメル質とほぼ同じ成分
唾液中のミネラルに作用して、次のような三つの働きをします
①歯の表面のミュータンス菌をからめとって除去しやすくする②歯の表面についたミクロレベルの傷や凹凸を埋めてなめらかな状態(再結晶化)にする③歯の内側の脱灰部分にミネラルを補って再石灰化を促す "市販の歯磨き剤には同じく再石灰化を促すフッ素が配合されたものがあります
フッ素 “が生体内の自然な反応を利用して生化学的に再石灰化を行うのに対し、ナノハイドロキシアパタイトは薬剤を使ってその反応を物理化学的に引き出して行います
クリニックによって、料金や施術時間などは異なります
私のクリエックでは、60分l万2000円(PMTC45分十ティーストリートメントー5分)で行っています
歯科衛生士によるこのケアが診療メニューにあるクリニックはまだ限られていて、呼び方もいろいろ
「デンタルトリートメント」と言ったり、単に「トリートメント」と呼ぶところもあります
定期的に行うと、歯の輝きが維持でき、ステインもつきにくくなります
セルフケア用として、ナノハイドロキシアパタイト配合の歯磨き剤を使うとなおいいでしょう
市販品もありますが、歯科用商品のほうが成分の配合量が多いです

日本に欲しい高濃度のフッ素入り歯磨き剤

フッ素ですが、世界には、フッ素が添加された水道水を利用できたり、フッ素入りの塩やミルクなどが市販されている国があります
また多くの国で、フッ素錠剤というフッ素入りの錠剤が認可されており、小児科医や小児歯科医が虫歯のリスクの高い子どもに処方したりしています
このように世界では、様々な形でフッ素が利用されていますが、日本で消費者が手にすることができるフッ素商品は、歯磨き剤と歯科専売のフッ素洗口剤だけ
他国以上に、フッ素入り歯磨き剤を利用することが重要なことがおわかりいただけると思います
日本の薬事法では歯磨き剤のフッ素濃度は1000ppm以下と定められています
しかしながらこの濃度は、北欧やアメリカ、ョーロッパなどでは小学生向けの濃度
大人向けには、1500ppmが一般的です
さらにフランスでは2500ppm、スウェーデンアメリカではなんとフッ素が5000ppmも含有された歯磨き剤が薬局で売られており、旅行者の私でもパスポートも提示せず、身分も聞かれず簡単に購入することができて驚きました
これは寝たきりの高齢者や放射線治療やシェーグレン症候群などで、極度 籾のドライマウスに悩む患者さんなど、虫歯リスクの高い人のために作られた特別な医療用歯磨き剤です
日本でも、がんの治療などで放射線療法を受けておられる患者さんが虫歯に悩む姿は、涙なしにはケアできないほど次々と虫歯が出来てしまい、5000ppmの高濃度フッ素歯磨き剤が使えたらどれほど多くの人が助かることだろう、と思わずにはいられません
また虫歯大国の日本の大人が、他国では小学生向けの1000ppmの歯磨き剤を使っていることは、北欧やヨーロッパ、アメリカなどを訪れるたびに残念でならず、いつの日か1500ppmのフッ素人り歯磨き剤を日本でも購入できる日がくれば、と願わずにいられません

「カリエスリスクテスト」を受けよう


1日の歯磨き回数は、平均してフィンランド人より日本人のほうが多いというデータがあります
しかし、実際に虫歯が多いのは日本人
回腔ケアのエキスパートたちによる指導や定期的なメンテナンスを受けているフィンランド人と受けていない日本人の差でもあるのですが、 一生懸命歯磨きしても虫歯になってしまう人、歯磨きがいい加減でもなぜか虫歯にならない人がいるのは事実です
いわばその「虫歯のなりやすさ」を科学的に知るための手がかりになるのが、スウェーデンで開発された「カリエスリスクテスト」です
虫歯は複合的な原因でできることがわかっていますが、「脱灰」と「再石灰化」がどんなふうに行われているかのバランスを分析することで虫歯の発生リスク(危険度)がわかります
検査項目は全部で八つ
ミュータンス菌の数、ラクトバチラス菌の数、飲食の回数、プラークの蓄積量、フッ素の使用状況、虫歯の経験(DMFT指数)、唾液の量、唾液の緩衝能(酸性に傾いた日中を中性化し、「再石灰化」を促す力)です
項目が多いため、ケアに関する説明などはやや面倒に感じるかもしれませんが、多面的な対策が打てるのできちんと行えば予防効果は絶大です
ミュータンス菌とは虫歯のきっかけを作る菌、ラクトバチラス菌とは虫歯を進行させる菌のことです
これらの菌に関する危険度のスコアは、「コロニー」と呼ばれる細菌の塊 瑠の量で見ます
1ミリリットルの唾液中に含まれるコロニーの数によって、スコア0~スコア3の4段階で判定します
コロニーは大きく固まっているほど歯ブラシなどで除去しやすく、細かくみっちり付着しているほど落としにくいわけです
ミュータンス菌は乳児期に唾液を通じて感染することが多いと述べましたが、 一度感染するとプラークの中でコロニーを作り、それを覆うようにバイオフィルム(歯の表面を被う細菌の膜)を形成してしまうので、歯磨き程度では落とし切れません
ラクトバチラス菌は、過去に治療した歯が詰め物の隙間や奥で二次虫歯を起こしていると増えます
治療しているから大丈夫とは言い切れないのです
深い虫歯があったり、詰め物の境目や歯の溝、あるいは甘いものが好きでいつも口にしている人でもラクトバチラス菌は繁殖します
歯を守る上で大切な、唾液の分泌量や緩衝能は生まれつきの体質もありますが、食事回数とも深い関係があります
食事以外に、のどアメや砂糖入りのお菓子、スポーツドリンクなどの清涼飲料水、砂糖やミルク入りのコーヒー、紅茶をしじゅう口にしている人は高リスクです
回の中が酸性に傾く脱灰の時間を減らしましょう
しかし、PMTC(プロによる徹底した器械クリーエング)を行うとプラークが一気に減ります
その直後からキシリトールー00%のガムやタブレットを上手に利用していくと、ミュータンス菌のレベルをゼロにすることができます
フッ素の使用状況はまだ日本では高いとは言えません
しかし歯質の強化を考えるなら、大人でもフッ素は不可欠です
歯科で定期的に塗布してもらい、毎日の歯磨きの際に、フッ素入りの歯磨き剤と歯科で買えるフッ素ジェルを活用するのが理想です
日本でキシリトールが認可される以前はこうしたテストを受けても、テスト後の対策が不充分だった部分もあったのですが、キシリトールが定着した現在では、虫歯予防の観点から見てとても有効
一度受診することをおすすめします
カリエスリスクテストは自費診療で1万円前後、検査時間は30分ほどです
私のクリニックでは電子枠でプラークの量を計り、より綿密な予防対策を提案しています
その他にも、インターネットで予防に力をいれている研究会名簿(例えば日本フィンランドむし歯予防研究会など)を検索すればお近くの歯医者さんで検査を行っている医院が探せます
【カリエスリスク スコア】次の8項目を検査し、結果をスコア化してクモの巣状のグラフにする
スコア値が内側に入っている項目は、その人の歯の健康の弱点
どこを重点的にケアすべきかがひとめでわかる
スコア全体が大きな八角形を描くほど、「虫歯になりにくい」ということ
ミュータンス菌いわゆる酸を出し、初期虫歯の原因になる菌
生まれたての赤ちゃんの国内には存在せず、母親や周囲の大人から、唾液を通じて感染する
一度感染してしまうと、歯磨きだけでは完全に除去できない
ラクトバチラス菌これも虫歯の原因菌のひとつで、特に虫歯を進行させる菌
かつて治療した虫歯が二次虫歯を起こしていると増える
甘いもの好きの人、ちょこちょこ飲食をする人、歯磨きがおろそかで国内が不潔な人には多い
飲食の回数飲食後、日の中は酸性に傾くので、飲食の回数が多いと、脱灰化の時間が増え、虫歯になりやすくなる
1日の飲食回数は、4回まではOKc食事以外にもドリンクやおやつをしじゅう飲み食いしている人はリスクが高い
プラークの量歯肉の境目に沿ってついている細菌の固まりのこと歯垢とも言う
虫歯や歯周病の原因になるプラークが、どのような状態で付着しているかを調べる
フッ素の使用状況歯磨き時にフッ素のジェルやフッ素の水溶液を使ったケアを行っているか、歯科医師や歯科衛生士によるフッ化物塗布を定期的に行っているかなどをチェック
虫歯の経験(DMFT指数)現在虫歯になっている歯、過去に虫歯によって失われた歯、治療済みの歯の本数をチェックし、虫歯になりやすい環境かどうかを調べる
唾液の量唾液には口内の細菌や食べかすを洗い流す作用、酸性に傾いた国内を中和する作用、再石灰化を促す作用など、虫歯を防ぐためのいろいろな作用がある
唾液の量が多いほど、そうした力が強いことになる
唾液の緩衝能飲食後、酸性に傾いた日の中を中性に戻す「中和力」を指す
緩衝能が低い人ほど、酸性に傾いている時間=脱灰化の時間が多いので、虫歯になりやすいといえる