良い歯医者の選び方1


公開されている情報から講演会などに行くと、決まって質問されるのが、「どうやっていい歯医者さんを見分ければいいか」です
歯が痛くなっても、かかりつけ医がいなければどこに通おうか迷ううち、症状が進行してしまいます
また、転居したばかりのときなど、地域の事情もわからないので非常にとまどうところでしょう
先の質問に、私はよくこうお答えしています
まずは、「よさそうだな」と思った歯医者さんに行って、玄関から受付のところを覗き、歯磨き剤や歯ブラシなどの歯科用商品を揃えてあるかをチェックしてください
いい歯科クリニックは間違いなく予防医療に力を入れています
ですから、歯科用商品はいろいろ用意してあるはずです

助歯科用商品の歯磨き剤や歯ブラシのほか、歯科専売のフッ素の洗口液やジェル、100%キシリトールのガムやタブレット、フッ素付きデンタルフロスなどが揃っていれば合格です
さらにクチコミやホームページをチェックするとだいたいの評判はつかめると思うので、次に予約の電話をしてみます
そのときにまず間違いなく、いい悪いが見分けられる質問力あります
「そちらのクリニックでは歯磨き指導をしてもらえますか」「歯磨きグッズを選んでもらえますか」と聞いてみてください
そこで快くしてくれる歯医者さんは良心的です
予防の重要性をわかっているからこそ、手間のかかる指導や歯科グッズの販売も積極的に取り入れているわけですから
歯周病の治療のための医師を探している場合、「日本歯周病学会認定歯科衛生士」がいるクリニックもおすすめです
歯周疾患の治療には高度な知識と技術が必要で、かつ歯科衛生士の的確なサポートなしにはできません
歯周病治療に、歯科衛生士の存在は欠かせません
認定歯科衛生士の有資格者は全国でまだ700人程度しかおらず、とても信頼されています
いい歯科医院の選び方②問診表、見積表を参考に
大学付属の歯科病院では、初診時に小冊子ほどある何十ページものシート集を渡して記入してもらい、それを治療のベースに使います
開業医ではそこまで徹底するのは難しいですが、それでも治療の指針を決めるためのていねいな問診シートや治療の進行をつかむための計画書を用意するのは不可欠です
ですから、初診時に、間診票がしっかりしてぃる、歯磨き状況などの生活チェックを行う、検査をするなど、教科書的なステップをきちんと踏んでいるかどうかが大切です
追って治療方針の説明に入ります
このときに一つの治療法を示すだけではなく、充分な選択肢を用意して、可能な限りの治療方針を説明してくれる先生は良心的です
私のクリニックでは、大学病院から歯周病、日腔外科などさまざまな専門医が定期的に訪れて診断や治療を行っています
一人の患者さんに対し、専門医がそれぞれの見解を示し、私自身はその診断を見て総合的に判断して、治療方針を立案します
患者さんにすべての治療法を提示し、検討してもらえるよう計画書を渡しています
それを見ながらだと、患者さんもどんな治療をするのか決めやすいようです
治療方法によって治療費は変わりますから、治療方針を決めた後で、実際の治療に入る前に見積書を作ります
最近では少ないと思いますが、治療方針の話し合いや見積なしに治療に入ろうとしたら、患者さんの側から「相談の上で決めたい」とぜひいってみてください
「奥歯は保険内で充分、でも前歯は自費で」など、部位で分けて考えることもあると思います
大抵のクリニックでは保険診療と自費診療の両方をやっていますから、希望を細かく伝え、それに細やかに対応してくれる歯科医師であることも大事です
また、治療したい項日がはっきりしているなら、その歯科疾患の学会認定を受けているのかどうかもひとつの目安になります
あとは、看板も参考になります
歯科医師法で、公道から見える看板には、 一般歯科、日腔外科、小児歯科、歯列矯正の4項目しか掲げてはいけないことになっています
インプラント、ホワイトエングなど看板には書けない項目も治療できるという場合、そのことは待合室やホームページの中に書かれています
いずれにしても、良心的なかかりつけ歯科医を持っておくと、長期にわたり患者さんの歯の健康をサポートしてくれるはずです
いい歯科医院の選び方③専門的な治療をしたいとき
可能であれば、信頼できる歯科医師が勧める歯科医師がいちばんいいように思います
同業者だからこそ、技術や得意分野、人柄、あるいは患者さんとの相性まで考えたうえで、最もよいと思える先生を紹介してくれるという期待がもてます
夫婦、家族と言っても、ひとりひとり日の中の状況は違います
おじいさんおばあさんは入れ歯が得意な先生を探しているかもしれないし、お父さんは歯周病の名医を探しているのかもしれません
目的は虫歯予防なのかホワイトエングなのか審美なのか、それによって紹介するクリニックも変わってきます
ですから、まず歯科のかかりつけ医を持ち、その主治医にいい専門医を尋ねてみて下さ 朗い
また、難しい症例の場合はかかりつけ医のほうから提案してくれるでしょう
とはいえ実際問題として、主治医がいないという方も多いことでしょう
そんなときこそ、インターネットが役立ちます
それぞれの疾患の専門学会があり、多くの学会で専門医や認定医の名簿を公開していますから、ぜひ参考にしてみてください
また通える範囲に大学附属の歯科病院があるときは、利用されることをおすすめします