歯が残っている人ほど、病気になりにくい

自分の歯が残っていて食べ物が咀噛できる「咀噛能力の高さ」が、いつまでも元気で長生きという「健康寿命」にとっていかに重要かをお話ししました
それと同時に、歯が健康な人は医療費も安くすむという報告があります
全国のさまざまな自治体が行った調査では、歯の残存数が多い人ほど全身の疾患にかかる医療費が少なく、また入院日数や通院日数も少ないという結果になっています
自治体によって、調査対象年齢は50歳以上から80歳以上までと幅広いのですが、一局齢になるほど歯が残っている人と残っていない人ではかかる医療費の金額の差は広がり、特に入院日数については格段の差があります
兵庫県歯科医師会の研究によると「歯が多く残っている人は、少ない人より入院日数が26%短い,また医療費は14%少ない」ということです
これは、歯の健康を保つモチベーションになりうるニュースでしょう
前でも述べたように、歯を失うと栄養摂取のバランスや質が悪化してしまい、これが全身の健康に悪影響を及ぼします
あらためて後述しますが、歯周病は歯肉や歯槽骨など国内にダメージを与えるだけでなく、動脈硬化心筋梗塞などの心臓血管疾患、糖尿病、メタボリックシンドロームなどさまざまな全身疾患のリスクを高めることがわかっってきました
歯周病によって歯を失えば、当然そうした治療費負担も増えてしまいます
また、骨粗霧症は高齢者によく見られる病気ですが、骨代謝と歯の残存数とは比例していて、骨密度が低いほど歯の残存数も少ないという統計が出ています
また、残っている歯が少ない人はど骨密度が低くなるため、寝たきりや要介護のリスクが上がり、その治療費や介護費なども増えると考えられます
歯の健康と全身の健康の関連が、医療費という形でも証明できたわけです